取材記事

災害時の障害者支援における最新技術活用を議論——TRONイネーブルウェアシンポジウム開催

災害時の障害者支援における最新技術活用を議論——TRONイネーブルウェアシンポジウム開催

最新技術で実現する災害時の障害者支援をテーマにしたTRONイネーブウェアシンポジウム(TEPS)が2024年12月7日、東洋大学赤羽台キャパスのINIADホールで開催されました。2024年の能登半島では、1月1日の地震と9月の大豪雨により大きな被害がもたらされました。近年日本では、地球温暖化の影響による局所的な集中豪雨も頻発しており、多様な自然災害や、さらにはその複合化への備えの重要性もますます高まっています。災害発生の緊急時には多くの情報が出され、それに基づき適切な行動をとることが欠かせません。しかし障害者は適切な情報伝達手段の確保に困難をきたすことがあります。本シンポジウムでは、最新技術の力を活用した災害時の障害者支援と災害にも対応できるコミュニティづくりを議論する講演とパネルセッションが行われました。

TRONプロジェクトリーダの坂村健氏(東京大学名誉教授)の基調講演では、災害時の障碍者支援における生成AIの有効性と課題について説明し、災害時支援AIの利用イメージとして、研究開発中のAIアシスタントによる被災者支援を取り上げてデモンストレーションを行いました。総務省の田邊光男氏(情報流通行政局 情報通信政策課長)からは、能登半島地震における情報通信インフラの被害状況とその復旧の取り組みが紹介され、被災地で情報を迅速かつ正確に伝えるための情報バリアフリーとともに日ごろのコミュニケーションの重要性が論じられました。日本電信電話株式会社(NTT)の荒金陽助氏(研究企画部門 IOWN推進室 室長)は情報通信の観点から能登半島地震の被害状況と復旧へのNTTグループの取り組みを具体的に紹介しました。NHK解説委員の竹内哲哉氏はこれまでの取材経験から、障碍者の避難を阻むさまざまな「壁」について取り上げました。

シンポジウムの詳細は以下をご覧ください。
https://www.tron-enableware.org/blog/2025/02/05/teps37/
https://www.tron-enableware.org/blog/2025/02/06/teps37-report/

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