
2026年4月20日(月)、グランフロント大阪 北館のナレッジキャピタルにて「“迷い”を”価値”へ変える。未来の『駅ナカ』体験と収益モデルを共創する 大阪駅3D MAPを活用した事業マネタイズアイデアソン」が開催され、「人・ロボットの移動円滑化のための歩行空間DX研究会(以下、歩行空間DX研究会)」の事務局を担当する国土交通省政策統括官付が招待を受け参加しました。
本アイデアソンの趣旨は、高精度な3D構内図を駅利用者に提供し続け、持続的に運営していくためのビジネスアイデアを創出することです。当日は、複雑に入り組む大阪駅を立体的にわかりやすくする「大阪駅3D MAP」を題材に、様々なデータやソリューションを提供する参加企業間で活発なディスカッションが行われました。
本アイデアソンは、国土交通省が推進する歩行空間DX研究会の活動とも密接に関連しています。そこで、国土交通省政策統括官付が同研究会の取組について広報するとともに、本アイデアソンのようなプロフェッショナルが集結する場に参加することで、バリアフリーデータの利活用推進や利活用によるビジネス創出の糸口を模索すべく、本イベントに参画いたしました。
国土交通省が描く「オープンデータが拓くユニバーサルな移動支援」をプロフェッショナルにアピール

アイデアソンの冒頭ではゲストスピーカーとして国土交通省政策統括官付の島越貴之氏が登壇しました。島越氏は「歩行空間における移動支援サービスの普及・高度化」をテーマにプレゼンテーションを行い、ICTを活用して誰もが自律的に安心して移動できる「包摂社会」の実現に向けた、国のこれまでの取り組みと最新の動向を語りました。
国における歩行空間のICT活用は2000年頃から始まっており、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けたバリアフリーナビの機運醸成などを経て、長年の歴史があります。現在は、これまでに蓄積された歩行空間のネットワークデータや施設データを「オープンデータ」として公開し、民間事業者がそれらを自由に活用して多様なアプリケーションやサービスを生み出す環境(歩行空間ナビゲーションデータプラットフォーム、通称:ほこナビDP)の構築を推進しています。

島越氏は、施策を推進する上での大きな課題として「データ整備の持続可能性」と「民間による利活用」の二点を挙げました。
- 整備の課題: 自治体や施設管理者・利用者等が膨大なバリアフリー情報を実測・更新し続けるには多大なコストがかかり、整備が進まない、古い情報で留まるといった課題。
- 利活用の課題: データを公開しても、実際にアプリ化され利用者に届かなければ意味がない。民間事業者が安定したビジネスとしてアプリ開発していくために、官民連携における収益性(マネタイズ)のあり方が重要になる。
島越氏はこれらの課題について国として技術支援・普及促進施策等を推進していくと語ると共に、「民間ならではの視点で、どうすればデータの量が増え、どうすればアプリケーション化されるか、そのアイデアを今日この場からいただきたい」と参加者に強い期待を寄せて締めくくりました。
多彩な視点が交錯する、白熱のグループワークとピッチ発表

その後、本アイデアソンの技術的基盤となる「大阪駅3D MAP」についてジェイアール西日本コンサルタンツ(JRNC)より概要説明がなされ、いよいよ本番となるビジネスアイデア創出のディスカッションがスタートしました。会場には位置情報、デバイス、ソリューション開発など、多岐にわたる専門性を持つ22社・50名以上のプロフェッショナルが集結。6グループに分けられた各班に、ジェイアール西日本コンサルタンツ(JRNC)のスタッフがファシリテーターとして議論をサポートするだけでなく、ゲスト審査員を務める立命館大学の西尾信彦教授も班を巡って議論に加わるという、非常に贅沢な共創環境が整えられ白熱した議論がなされました。(詳細はこちらを参照ください。)
未来の駅・まちづくりへ向けた総評「具体的なビジネス創出を」

アイデアソンの締めくくりとして、国土交通省の島越氏は、今回提示されたすべてのアイデアが実現可能であると高く評価し、JR西日本への具体的な社会実装を強く期待しつつ「この議論を大阪駅だけに留めず、周辺の他事業者も含めて街全体を盛り上げる視点を持ってほしい」と、広域的なエリア連携の重要性を訴えかけました。さらに、「国土交通省が進める歩行空間DX研究会の動向についても注視していただき、是非オープンデータの利活用を検討し、ビジネスを創出していただきたい。」と総評を述べました。
本アイデアソンに参加して
本アイデアソンに参加することで、「歩行空間DX研究会」が目指す包摂社会の実現には、インフラとしてのデータ整備に加え、そこに民間ならではの独創的な付加価値や持続可能な収益モデルを実装する力が必要であると改めて実感しました。また、22社・50名を超えるプロフェッショナルが組織の壁を越えて知見を掛け合わせた今回のような場において施策をPRできたことは、利活用の創出に向けた大きな一歩となりました。今後もデータ利活用の推進のため、多様な方々へ不断のPRを行い、誰もが自律的に安心して移動できる包摂社会の実現を目指していきます。
